映画『パラサイト 半地下の家族』から見える目線

第92回アカデミー賞でアジア勢初の作品賞受賞
『パラサイト 半地下の家族』
ご覧になりましたか。
半地下住宅に暮らす貧しい4人家族のキム一家。
高台にある豪邸のパク一家を舞台に…
とても深い意味のある映画です。
詳細は記載しませんが、一部あります
【ポン・ジュノ監督 ライブトークより】
私たちは、ニュースを結果だけ見ます。
映画はそんな結果に達した微妙な段階を2時間に渡って迫っていけるーそれが映画の力なのではないかと思う
目線
暮らしにある「差」
格差社会に対する問題意識です。
ポン・ジュノ監督の映画には
その時代にある社会情勢があります。
「半地下住宅」(に暮らす貧しいキム一家)
「高台」(の豪邸に住むパク一家)
一家の目線のちがいも映画にあります。
■貧しいキム一家
目線が「下」
■豪邸に住むパク一家
目線は「上」
このような感覚です。
映画をご覧いただければ気づくシーンがあります。
豪邸に住むパク一家が急に帰宅することになり
慌てて部屋の片付けをするキム一家
このシーンでの印象です。
豪邸…
キッチン台のものを片付ける際
他、テーブルの上のものをすべて
キム一家は下に落とすんですよね。
隠すのではなく・・・下に
それは
豪邸に住むパク一家は下を見ないから…
そのことが意識されていると知りました。
映画『パラサイト 半地下の家族』
上下、垂直の空間を意識して見ていると、幾つかのシーンでもあります。
豪邸に住むパク一家は上(向き)を意識したシーン
貧しいキム一家は下(向き)を意識したシーン
まとめ

【ポン・ジュノ監督の言葉より】
最初に考えていたタイトルは「転写」。
同じ飛行機に乗り合わせた2つの家族の話として書き始めたそうです。
そのうち貧しい家族の視点から描くほうがダイナミズムが生まれると思い変わったと。
この映画には本当の悪役はいません。
登場人物の誰もが「グレーゾーン」
みんな適度に悪く
適度に善良で
適度に卑怯で
適度に正直な人々がもつれて破局に至ります。
状況の問題
社会のおそろしいシステムによって生まれた状況
寄生です
そこでタイトルが『パラサイト』となったと。
映画『パラサイト 半地下の家族』を見て…
人にある、当たり前になっている目線の先
上と下…
私は一番印象的でした。
ストーリーの中にあった
「インディアン」や「ダソン(パク一家の子供)の絵」、「計画って…」「一線」「地下シェルター」など
「目線」だけでなく、その他にも沢山の深い意味、考え深い映画です。
たくさん読んでいただけて心からありがとうございます。